オイラのブログに於いて過去に何度か
シガテラ中毒の危険性について書いてきたが、恐れていた事態が発生した。
オイラの友人でもある久米島のアングラーがシガテラ中毒になってしまった。
ここでシガテラ毒につておさらいをしてみよう。
シガテラ毒とは渦鞭毛藻と呼ばれる微細藻類が作り出す
海洋毒の一種で、食物連鎖によって濃縮され、海の食物連鎖の頂点に位置する大型の魚類を食べた際に発症する可能性がある。
シガテラ中毒の詳細はコチラ
オイラの友人が食べたのはこの魚
バラハタ
沖縄では
ナガジューミーバイと呼ばれ、島周りのジギングや餌釣り等で釣れるが、以前からシガテラ中毒の報告がある魚で、厚生労働省のHPにも有毒種として記載されている
詳細はコチラ
友人は50cm程のバラハタをバター焼きにして1/4程食べ翌日、体の倦怠感、食欲不振、
ドライアイスセンセーションと思われる冷たいものを飲むと舌が痺れる症状が出た。
本人曰く
「50kgの重りを背負っている様な体のだるさ」と、表現していた。
この事件があった日とまったく同日
別の友人から
LINEを通じて
「この魚食べられますか?」との質問があった。
写真には紛れも無い
バラフエダイの姿が。
友人にはシガテラ中毒の危険性を指摘し返信、その友人は食べるのを辞めた為、シガテラ中毒の危険性は回避された。
色々調べていくとやはり沖縄でのシガテラ中毒の発生率はダントツであるが、データーとして残っているのは医師の診断を受けたものだけであり、潜在的なシガテラ中毒症状というのはかなりの数に上るのではないかと指摘されている。
実際に誰々がシガテラに当たったという話は良く耳にする。
シガテラ中毒の一番怖い点は死亡する事が殆ど無い為、軽くみられがちな点である。
しかし、毒性だけで言うならフグ毒の成分である
テトラトドキシンを上回る毒の強さであるという事。
また、人によって症状もまちまちで全く症状が出ない人も居れば、麻痺が残る人も居る。
症状が治まるのが早い人も居れば1年以上、その症状に苦しめられる人もいる。
発症して直ぐであれば活性炭投与や薬剤の投与で毒素を除去する事により症状を抑える事も可能だが、基本的な治療方法は見つかっていない。
にも関わらずシガテラ中毒に対する認識が甘いのである。
相手が生き物、自然だけに
「絶対」は無いのだ。
ここの魚は大丈夫、自分は食べても当たらない、そういった慢心や誤った認識がシガテラ中毒が無くならない一つの原因ではないだろうか?
コチラには
沖縄県衛生環境研究所によるシガテラ中毒についての事が書かれているので参考にしてみては如何だろうか
コチラをクリック
シガテラに関する言い伝えの検証も興味深い。
そしてシガテラ毒に関して一番懸念される事は今後、毒性を持った魚が増える可能性があるという事。
前にも記したがシガテラ毒は渦鞭毛藻と呼ばれる微細藻類が作り出すと書いたが、珊瑚礁が死滅すると死んだ珊瑚や石灰藻などに有毒渦鞭毛藻が付着し、周辺生物が毒化されるという報告がある。
久米島を始めとした沖縄の珊瑚礁は赤土の流出等によって沿岸の珊瑚が死滅した場所も多い。
そんな海域が今後もっと増えて行った時、シガテラ毒を持つ魚が増える可能性が大いにあるという事。
自然界は常にバランスを保って成り立っているが、そのバランスが崩れた時、大きなしっぺ返しを食らう事になる。
シガテラ中毒を回避する為には疑わしい魚を食べない事、万が一症状が出た場合には直ぐに医師の診察を受ける事(シガテラ毒の治療を行った事のある病院が望ましいが)
そして最低限のシガテラ毒に対する正しい知識を身に付けておく事だ。
症状が出た友人は
「今後は島周りの魚は一切食べない!」と、言い切った。
それだけキツイ症状だという事も覚えておいてもらいたい。